🐾 生き物

細菌の「作る」と「運ぶ」がつながる瞬間、3D画像で見えた

約2分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
クライオ電子線トモグラフィー

急速に凍らせた細胞を、電子線で立体的に調べる方法。

リボソーム

細胞の中で、たんぱく質を作るしくみ。

Secトランスロコン

細胞膜にある、たんぱく質を通す通路の装置。

何が起きたか

欧州分子生物学研究所(EMBL)ハイデルベルクのジュリア・マハミッド研究グループが、細胞の中でたんぱく質を「作る」仕組みと「運ぶ」仕組みがどう連携するかを調べた。成果は学術誌「Cell」に載った二つの論文で報告された。これまでの研究は、細胞内の部品を一つずつ詳しく見ることが多かった。今回は、部品どうしが働く場面に焦点を当てた。

どうやって見たか

研究対象は、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という細菌だ。細胞を急速に凍らせ、クライオ電子線トモグラフィー(cryo-ET)で内部を立体的に観察した。この方法では、細胞の中にある分子の機械を、元の配置に近い状態で調べられる。たんぱく質を作る装置であるリボソームについて、何百個もの細胞から高解像度の地図を作り、働きの段階ごとに数えた。

「作る」現場で見えた連携

一つ目の研究では、DNAの情報からメッセンジャーRNAを作る「転写」と、その情報を使ってたんぱく質を作る「翻訳」を直接つなぐ複合体が、いくつも見つかった。これは、二つの作業が細胞内で別々に進むだけではなく、近い場所で協調するという構造的な証拠になる。また、長く予想されていた大きな複合体の存在を、実際の細胞内で確かめる手がかりにもなった。

膜の境目で見えたこと

二つ目の研究は、作られたたんぱく質が細胞膜を越える仕組みに注目した。研究チームは、膜にあるたんぱく質の通路「Secトランスロコン」と、これまで知られていなかった三つのたんぱく質を含む機械を見つけた。三つのたんぱく質は、運ばれてきたたんぱく質が正しい形になるのを助けると考えられる。リボソームが作ったたんぱく質が膜を通り始め、その外側で形を整える仕組みと連携する様子も示された。

なぜ重要か

細胞は、部品を並べただけの袋ではない。作る、運ぶ、形を整える仕事が、時間と場所を合わせて進む。そのつながりを細胞の中で直接見る方法ができたことが大きい。細菌のような比較的単純な細胞で仕組みを整理すれば、より複雑な細胞を調べる土台にもなる。

まだ分からないこと

画像から分かったのは、装置の配置と、いくつかの状態の違いだ。リボソームの一部が、たんぱく質を作っていない時にも膜に付いていた理由は、まだ推測の段階にある。新しい三つのたんぱく質が、形を整える仕事をどの順番で進めるかも詳しくは分からない。哺乳類の細胞で似た動きが報告されている点は興味深いが、細菌から人まで同じ仕組みだと決まったわけではない。

次に見る点

研究者たちは、今回の方法を、より複雑な細胞や別の生物へ広げようとしている。単独の分子ではなく、細胞内の「分子の共同体」を見られるようになれば、生命の働き方を説明する地図がさらに細かくなる。

出典:Phys.orgの研究紹介

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細菌の中で「作る」と「運ぶ」がつながっていた

📰 しっかり版: 細菌の「作る」と「運ぶ」がつながる瞬間、3D画像で見えた

細菌の中の仕事を、科学者が立体で見ました。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
肺炎マイコプラズマ

研究対象になった細菌の名前。

リボソーム

たんぱく質を作る細胞内のしくみ。

クライオ電子線トモグラフィー

凍らせた細胞の中を立体で見る方法。

💡 ようするに

  • 細菌の中を、立体の画像で調べた。
  • たんぱく質を作るしくみが見えた。
  • 作ったたんぱく質を運ぶしくみも見えた。

研究に使ったのは、肺炎マイコプラズマという細菌です。科学者は細胞を急に凍らせました。その中を、クライオ電子線トモグラフィーで見ました。これは、細胞の中を立体で調べる方法です。

たんぱく質は、細胞が生きるために働く材料です。リボソームというしくみが、たんぱく質を作ります。研究では、何百個もの細胞のリボソームを調べました。どの段階で働いているかも比べました。

細胞の中では、二つの仕事がつながっていました。まず、DNAの情報がメッセージに写されます。次に、そのメッセージからたんぱく質が作られます。この二つをつなぐしくみが見つかりました。

作られたたんぱく質は、細胞の膜へ運ばれます。膜には、たんぱく質を通す道のようなしくみがあります。その近くには、形を整える三つのたんぱく質もありました。形が正しくないと、たんぱく質は働きにくくなります。

ただし、すべての動きを動画で見たわけではありません。どの条件で部品が動くかは、まだ研究中です。次は、ほかの細菌や複雑な細胞でも調べます。

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ちいさな細菌の中で、おしごとがつながった

📰 しっかり版: 細菌の「作る」と「運ぶ」がつながる瞬間、3D画像で見えた

科学者が、細菌の中を3Dで見ました。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
肺炎マイコプラズマ

科学者が調べた小さな細菌の名前。

たんぱく質

細菌が仕事をするときに使う小さな材料。

リボソーム

たんぱく質を作る小さなしくみ。

肺炎マイコプラズマは、研究に使った小さな細菌です。

細菌の中では、たんぱく質が作られます。たんぱく質は、細菌のおしごとを助ける材料です。リボソームという小さなしくみが、たんぱく質を作ります。

科学者は、細菌を急に凍らせました。そして、中を立体の写真で見ました。作ったたんぱく質が、細胞の膜を通り始めるのが見えました。膜には、たんぱく質が通る道のようなしくみがあります。

その近くに、形を整えるしくみもありました。形が合うと、たんぱく質はおしごとができます。まだ、すべての動きを見たわけではありません。これから、ほかの細菌でも同じか調べます。

出典・参考