サメは音の向きも読める? 74メートル先の低い音に反応
カマストガリザメ(かますとがりざめ)
今回の研究で、音への反応を調べたサメの一種。
音響遠方場(おんきょうえんぽうじょう)
音を出す場所から離れ、音の揺れ方が近くとは変わる範囲。
マクラ・ネグレクタ(まくら・ねぐれくた)
サメの内耳にあり、水の動きや振動を感じると考えられる部分。
何が起きたか
フロリダ・アトランティック大学(米国の大学)の研究チームが、海を泳ぐカマストガリザメ(今回、音への反応を調べたサメの一種)に、水中の音を聞かせました。カマストガリザメは、低い音を最大74メートル先で検出し、音が来た方向から離れるように、すばやく進路を変えました。これは、サメが遠くの音に反応するだけでなく、少なくとも音の方向を区別できる可能性を示します。研究成果は2026年に学術誌へ発表されました。
どうやって調べたか
サメが音を感じることは知られていました。しかし、自由に泳ぐサメが、どれほど遠くの音を検出できるかは、よく分かっていませんでした。調査は米国フロリダ州パームビーチ郡の浅い沿岸で行われました。研究者は船を固定し、水中スピーカーを流れに合わせて漂わせました。スピーカーは船から最大19メートル離れました。音は100〜200、200〜400、400〜800ヘルツの3つの範囲です。比較のため、サメの既知の聴覚範囲の外とされた10キロヘルツの音も鳴らしました。音は誘い寄せるためではなく、驚かせて反応を見るために、強めに設定しました。水中マイクで音の強さを測り、上空40〜50メートルのドローンで泳ぎを記録しました。映像を一コマずつ確認し、反応した距離と進路の変化を測りました。
なぜ重要か
水槽で音を調べると、壁が音を反射します。音が複雑に重なり、サメが何を感じたか分かりにくくなります。野外の海で自由に泳ぐ個体を観察したことで、より自然な条件で音への反応を記録できました。サメの音の感覚は、見えない獲物や危険など、周囲の情報を得る手段と考えられています。今回の研究は、その感覚を距離と方向の両方から測る土台になります。
今回、確認できたこと
カマストガリザメは3種類の低い音に反応しましたが、10キロヘルツの比較音には反応しませんでした。反応は最大74メートル先で起き、70%を超える反応が音響遠方場で起きました。音響遠方場とは、音を出す場所から十分に離れ、音の揺れ方が近くとは変わる範囲です。低い音ほど、遠くから、より小さい音の強さでも検出されました。研究チームは、自由に泳ぐサメが遠い音を検出し、音の方向に反応することを数値で示した、初めての証拠だと説明しています。
サメには、多くの硬骨魚が持つガス入りの浮き袋がありません。そのため、内耳にあるマクラ・ネグレクタなどが、水を伝わる音に伴う水の動きや振動を感じていると考えられています。今回の結果は、音の遠い範囲でも、その仕組みが働く可能性を示しました。
まだ分からないこと
ただし、74メートルは、今回の音の強さや海の条件で確認された最大距離です。すべてのサメが、すべての音を同じ距離で検出できるとは限りません。カマストガリザメが音を獲物、敵、仲間のどれとして受け取ったのかも、分かっていません。今回は驚かせたときの回避反応を見たため、音に近づく行動や、自然な海の雑音への反応も別の課題です。
次に見る点
次は、別の種類のサメや、深さの違う海で同じ反応が出るかが焦点です。音の振動をどの器官で、どう方向に結びつけているのかも調べる必要があります。船など人間活動の音をどう受け止めるかを知るには、長期の野外観察も必要です。
サメは遠くの音の向きが分かる?
📰 しっかり版: サメは音の向きも読める? 74メートル先の低い音に反応
海のサメが、74メートル先の低い音に反応しました。
カマストガリザメ(かますとがりざめ)
今回の研究で調べたサメの種類。
ヘルツ(へるつ)
音が1秒に何回ゆれるかを表す単位。
浮き袋(うきぶくろ)
魚の体の中にある、浮きやすくする袋。
💡 ようするに
- 調べたサメは、74メートル先の低い音に気づきました。
- サメは、音が来た方向から離れました。
- 研究者は、本当の海で反応を見ました。
フロリダ・アトランティック大学(米国の大学)が調べました。対象はカマストガリザメです。このサメは、今回の研究で調べた種類です。研究者は、サメの音の聞き方を知りたかったのです。
調査場所は、米国フロリダ州の浅い海です。船の近くに水中スピーカーを置きました。スピーカーから、低い音を鳴らしました。音は、100〜200、200〜400、400〜800ヘルツの3つです。比べるため、10キロヘルツの音も鳴らしました。この音は、サメが聞く範囲の外とされます。音は、サメを呼ぶためではありません。驚いたときの反応を見るためです。
ドローンで上からサメを撮りました。水中マイクで音の強さも測りました。サメは低い音に反応し、音から離れる向きへ泳ぎました。だから、音がどちらから来たか、分かった可能性があります。低い音ほど、遠くから反応しました。
音は、水を細かく動かします。サメは、内耳で水の動きを感じると考えられています。多くの魚にある浮き袋を、サメは持ちません。音を感じる仕組みが、少し違うのかもしれません。
水そうでは、壁が音をはね返します。音が重なり、反応が分かりにくくなります。今回は海で調べたため、より自然な反応を見られました。
ただし、すべてのサメが74メートル先まで聞けるとは限りません。今回は、カマストガリザメと強い音を調べただけです。音が食べ物や危険を知らせるかは、まだ分かりません。
サメさんは、遠い音に気づくよ
📰 しっかり版: サメは音の向きも読める? 74メートル先の低い音に反応
サメさんは、遠くの音に気づきました。
カマストガリザメ(かますとがりざめ)
今回、調べたサメさんの名前。
水中スピーカー(すいちゅうスピーカー)
海の中で音を出す道具。
カマストガリザメは、今回調べたサメさんです。 フロリダ・アトランティック大学という学校の人が、調べました。 海の中に、水中スピーカーを置きました。 水中スピーカーは、音を出す道具です。 サメさんは、74メートル先の音に気づきました。 音が来たほうから、すいっと離れました。 だから、音がどちらから来たか、分かったようです。 サメさんは、音を目で見ません。 水のゆれを、体で感じます。 耳の中の場所が、ゆれを感じます。 調べた人は、本当の海で見ました。 水そうのかべは、音をはね返します。 海では、サメさんの動きを見やすくなります。 でも、音が何を知らせたかは、まだ分かりません。 ごはんか、こわいものか、まだ分かりません。 これから、ほかの音も調べます。