紫外線で見えた1億2500万年前のワニ類 尾のしま模様は迷彩だったのか
モンセコスクス・デペレティ
約1億2500万年前に生きたワニの仲間の学名。
紫外線
目には見えない光の一種。
軟組織
皮膚や軟骨など、骨よりやわらかい体の部分。
何が起きたか
スペインのカタルーニャ地方で、約1億2500万年前のワニ類の化石が改めて調べられた。主役はモンセコスクス・デペレティ。現代のワニそのものではなく、ワニ類につながる小型の動物で、標本は約50センチだ。近くの湖で死んだ体が細かな泥に埋まり、皮膚などが残りやすい条件に恵まれたと考えられている。化石は100年以上前に見つかり、1990年代にも一部研究されていた。それでも、体のやわらかな部分には未発見の情報が残っていた。
紫外線で見えたもの
研究者が標本に紫外線を当てると、化石化した組織と周囲の岩が違う反応を示した。普通の光では気づきにくい線や形が、照らし出された。これにより、皮膚の表皮うろこ、胸の軟骨、そして体の表面にある可能性のある感覚器官の跡が詳しく記録された。
うろこは体の場所によって形や大きさが違った。現代のワニに見られる高い尾のひれは、この動物にはなかった。首、四肢、胴と尾の側面にある小さなうろこには、感覚器官に似た構造が見つかった。現代のワニでは、似た器官が触れたものや水の圧力などを感じ取る。今回の化石では、そうした構造が体の端に限られており、後のワニ類で広がる前に、局所的に現れた可能性がある。
胸に残った呼吸の手がかり
胸部から見つかった軟骨の構造は、効率のよい呼吸のしくみが早い時代からあったことを示す。研究チームは、現代のワニと共通する点を持ち、この動物が水辺と陸上を行き来する半水生の生活に適応していたとみている。骨だけでは分かりにくい体の働きが、軟らかな組織から読み取れる点が重要だ。
尾のしま模様は何か
もっとも目を引くのは尾だ。紫外線を当てると、尾のうろこに明るい帯と暗い帯が横向きに並んで見えた。研究者は、この模様が生きていた時の色の名残かもしれないと解釈している。明暗の帯が体の輪郭を分けて見せれば、周囲から見つかりにくくなる。こうした働きは、かく乱迷彩と呼ばれる。解釈が確かめられれば、ワニ類で確認された最古の保存色の証拠になる。
なぜ重要なのか
皮膚や軟骨のような軟組織は、死後に失われやすく、化石には骨だけが残ることが多い。今回の標本が見つかったペドラ・デ・メイアは、やわらかな部分まで残しやすい特別な化石産地で、これまでに8000点を超える化石が集まっている。ここで得られた情報は、初期のワニ類がどんな皮膚を持ち、どう呼吸し、どのような外見だったかを考える材料になる。
まだ分からないこと
尾の帯が実際に何色だったかは分からない。しま模様が本当に元の色なのか、迷彩として役立ったのかも、まだ確定していない。感覚器官らしい構造も、別の標本との比較が必要だ。今後は、同じ産地や後の時代のワニ類に似た模様や構造があるかを比べることが、解釈を強める鍵になる。
研究論文は研究論文誌に掲載され、カタルーニャ古生物学研究所も発見の背景を紹介している。
紫外線で見えた、1億2500万年前のワニの尾のしま模様
📰 しっかり版: 紫外線で見えた1億2500万年前のワニ類 尾のしま模様は迷彩だったのか
古い化石に光を当てると、皮ふと尾の模様らしき跡が見えました。
モンセコスクス・デペレティ
約1億2500万年前に生きたワニの仲間の名前。
紫外線
目には見えない光の一種。
かく乱迷彩
体の輪郭を分かりにくくする模様。
💡 ようするに
- 約1億2500万年前のワニの仲間を調べました。
- 紫外線で、皮ふや尾のしま模様らしき跡が見えました。
- 本当の色や、しまの役目はまだ決まっていません。
どんな化石?
スペインのカタルーニャ地方で、古い化石が調べられました。主役はモンセコスクス・デペレティです。約1億2500万年前に生きた、ワニの仲間です。標本の長さは約50センチです。見つかったのは100年以上前でした。
紫外線で何が見えた?
研究者は化石に紫外線を当てました。紫外線は、目に見えない光の一種です。化石になった体と、周りの岩は、紫外線への反応が少し違います。その違いで、ふつうの光では見えにくい形が浮かびました。
皮ふのうろこが見つかりました。胸には、骨よりやわらかい部分も残っていました。首や足の近くには、触ったり水の変化を感じたりする部分らしき跡もありました。これは、現代のワニの感覚のしくみを考える手がかりになります。胸の形から、水の中と陸の両方で暮らせる呼吸のしくみがあった可能性もあります。
しま模様は何のため?
尾には、明るい帯と暗い帯が横向きに並んでいました。研究者は、昔の色が残った可能性を考えています。帯が体の輪郭を分けると、周りから見つかりにくくなります。このような模様を、かく乱迷彩といいます。
ただし、尾が本当にその色だったかは未確認です。しま模様が迷彩として働いたかも、まだ分かりません。
なぜ大切?
皮ふや骨よりやわらかい部分は、化石に残りにくいものです。今回の産地は、そうした部分も残りやすい特別な場所でした。これまでに8000点以上の化石が見つかっています。骨だけでなく、皮ふや呼吸のしくみまで考えられる点が大切です。
古いワニのしっぽに、しましまがあった?
📰 しっかり版: 紫外線で見えた1億2500万年前のワニ類 尾のしま模様は迷彩だったのか
紫外線で、石の中の小さな形が見えました。
モンセコスクス・デペレティ
むかしの小さなワニの仲間の名前。
紫外線
目には見えない光。
化石
むかしの生き物のあとが石に残ったもの。
むかし、約1億2500万年前に小さな動物がいました。 モンセコスクス・デペレティという名前です。 ワニの仲間です。 その体は、化石になって残りました。 化石は、むかしの生き物のあとが石に残ったものです。 研究者は、化石に紫外線を当てました。 紫外線は、目に見えない光です。 すると、皮ふのうろこが見えました。 胸のやわらかい部分も見えました。 しっぽには、明るい帯と暗い帯がありました。 それは、昔の色かもしれません。 しましまは、見つかりにくくする模様かもしれません。 でも、本当の色はまだ分かりません。 この化石は、むかしのワニの体を教えてくれます。