14時間で1年が終わる 星に取り込まれそうな「水の世界」
系外惑星(けいがいわくせい)
太陽系の外にある惑星。
潮汐力(ちょうせきりょく)
星の引っぱりで、惑星の形や進む道を変える力。
トランジット法(トランジットほう)
惑星が星の前を通るときの暗さを測る探し方。
何が起きたか
天文学者たちは、星HD 176071の近くを回る新しい系外惑星を見つけました。名前はHD 176071 bです。地球から約335光年離れています。大きさは地球の約2.5倍、重さは約8.5倍です。大きさと重さから、全体の約半分が水だと考えられています。ただし、水を直接見たわけではありません。観測した大きさと重さからの推定です。
この惑星は、星から約150万マイル、約240万キロしか離れていません。これは地球と太陽の距離の約1.6%です。そのため、星を1周する時間、つまりこの惑星の1年は約14時間しかありません。
なぜ星に取り込まれるのか
星の強い引力は、近くの惑星を大きく引っぱります。HD 176071 bでは、その引っぱりが潮汐力として働き、惑星の軌道を変えています。研究者は、この変化が速く進み、将来に惑星が星へ落ち込み、取り込まれるとみています。いつ起きるかは、まだ分かっていません。
この惑星は、星に同じ面を向け続ける状態にもあります。星を向く昼の面と、反対側の夜の面が、ほぼ固定されているのです。
どうやって見つけたか
多くの系外惑星は、トランジット法で見つかります。惑星が星の前を横切り、星の明るさが少し下がる瞬間を測る方法です。しかしHD 176071 bは、地球から見て星の前を横切りません。
研究チームは、惑星が反射する星の光の変化に注目しました。ケプラー宇宙望遠鏡の過去の記録と、約6年後のTESSの観測を比べると、光の変化のタイミングに予想外のずれが見つかりました。さらに、ガリレオ国立望遠鏡のHARPS-Nで、惑星が軌道を回る間の光の変化を細かく調べました。見え方の変化から、惑星の存在だけでなく、大気が動いている可能性も調べられました。
なぜ重要か
HD 176071 bは、海王星ほどの大きさの惑星が星のすぐ近くに少ない「海王星の砂漠」にあります。強い星の光が、惑星のガスをはぎ取るためだと考えられてきました。ところが、この惑星には動きのある大気が残っているようです。反射率の高い雲ができ、惑星の冷たい側に沿って変化していると、研究者は説明しています。
確認できたこと
確認できたのは、地球からの距離、サイズ、重さ、短い周期、そして光の変化です。水が約半分というのは、これらのデータから導いた推定です。研究成果は8月25日、専門誌「Astronomy & Astrophysics」に発表されました。
まだ分からないことと次の観測
大気の雲が何でできているのか、水が惑星の中でどう分布しているのかは、まだ確定していません。星に取り込まれる時期も不明です。今後は、星の前を通らない惑星でも、反射光の変化から大気や内部の特徴をどこまで読めるかが焦点になります。HD 176071 bは、見つけにくい世界を調べる方法を広げる試験台になりそうです。
なぜ見えない惑星が見つかった?14時間の水の世界
📰 しっかり版: 14時間で1年が終わる 星に取り込まれそうな「水の世界」
地球から335光年先の星のそばで、特別な惑星が見つかりました。
系外惑星(けいがいわくせい)
太陽系の外にある惑星。
トランジット法(トランジットほう)
惑星が星の前を通るとき、星が暗くなる変化を見る方法。
TESS(テス)
星の明るさを調べる宇宙望遠鏡。
💡 ようするに
- HD 176071 bは、太陽系の外の惑星です。
- 地球の約2.5倍で、水が多いと考えられます。
- 1年が約14時間で、最後は星に取り込まれそうです。
天文学者は、星HD 176071の近くで、HD 176071 bを見つけました。太陽系の外にある惑星を、系外惑星と呼びます。この星は地球から約335光年先です。惑星の大きさは地球の約2.5倍です。重さは約8.5倍です。そのため、全体の約半分が水だと考えられています。これは、水をすくって確かめた結果ではありません。大きさと重さから計算した予想です。
この惑星は、星から約150万マイルしか離れていません。地球と太陽の距離の約1.6%です。星の強い引力を受けるため、1周に約14時間しかかかりません。研究者は、引力の影響で道が変わり、いつか星に取り込まれると考えています。ただし、その時期は分かっていません。
普通は、惑星が星の前を通ると、星が少し暗くなります。この方法はトランジット法と呼ばれます。HD 176071 bは、星の前を通りません。そこで研究チームは、惑星が反射した星の光を調べました。ケプラーとTESSの記録を比べると、明るさの変化が見つかりました。
この惑星には、動く雲を持つ大気があるようです。星の強い光で大気が消えやすい場所なのに、残っている点が重要です。星の前を通らない惑星も、光を調べれば中身に近づけるかもしれません。これからは、大気の雲の正体と、惑星の道がどう変わるかが注目されます。
星のそばの水の星、さいごはどうなる?
📰 しっかり版: 14時間で1年が終わる 星に取り込まれそうな「水の世界」
遠い宇宙で、水がたくさんありそうな世界が見つかりました。
HD 176071 b
今回見つかった、遠い星の近くを回る世界の名前。
光年
光が1年で進む距離。
大気(たいき)
星のまわりを包む空気のようなもの。
HD 176071 bは、太陽系の外を回る惑星です。惑星は、星のまわりを回る世界です。地球から約335光年先にあります。光が届くまで335年かかるほど遠い場所です。
この惑星は、地球の約2.5倍の大きさです。重さは約8.5倍です。水が約半分ありそうです。水を直接見たわけではありません。大きさと重さから考えました。
この惑星の1年は、約14時間です。星のすぐ近くを回っているからです。星の引っぱる力が、とても強いのです。その力で、惑星の道が変わります。いつか星に取りこまれそうです。でも、いつかはまだ分かりません。
この惑星は、星の前を通りません。だから、星の明るさが暗くなるところは見えません。研究者は、惑星が返す光を見ました。光の変わり方から、惑星があると分かりました。空気のような大気も動いていそうです。
遠い世界を、光だけで調べられました。もっと調べると、雲のことや、星に近づく道のことが分かるかもしれません。