動物園のライオン、丸ごとの肉塊を与えると「野生らしい」行動が増加
「丸ごと給餌」でライオンが変わる
オーストラリアの研究チームが、動物園で暮らすライオンに丸ごとの動物の死骸を与える実験を行ったところ、野生のライオンに近い行動が増えることが分かった。
何を変えたのか
多くの動物園では、衛生管理や取り扱いのしやすさから、あらかじめ処理・カットされた肉をライオンに与えることが一般的だ。今回の研究では、この給餌方法を「丸ごとの死骸を与え、そのあとは間隔を空ける」という、いわゆる feast-and-fast(祝宴と絶食)方式に切り替えた。毎日決まった量を与えるのではなく、一度に大きな食事を与え、その後しばらく食事の間隔を空けるというやり方である。
結果
その結果、給餌方法を変えたライオンたちの行動は、野生で観察されるライオンの行動パターンに、より近づいたという。研究チームはこの結果について、動物園での飼育・給餌のあり方を見直す材料になり得るとしている。
今後への含意
研究はオーストラリアで行われたもので、対象となった動物園の数や、具体的にどのような行動項目がどの程度変化したかといった詳細は、現時点で公開されている報道の範囲では限られている。今回の結果は、動物園での飼育環境の充実(エンリッチメント)を考えるうえでの一例として位置づけられそうだ。
動物園のライオンに丸ごとお肉、あげ方を変えたら野生っぽくなった
📰 しっかり版: 動物園のライオン、丸ごとの肉塊を与えると「野生らしい」行動が増加
動物園のライオンに、切っていない丸ごとの肉をあげる実験が行われた。
💡 ようするに
・動物園のライオンに、切り分けていない「丸ごとの死骸」をあげる実験をした ・エサをあげる間隔も、野生のように「たくさん食べて、しばらく我慢する」やり方に変えた ・その結果、ライオンの行動が野生のライオンに近づいた
多くの動物園では、扱いやすさや衛生のために、あらかじめ切り分けた肉をライオンにあげている。でも野生のライオンは、そうやって食べていない。獲物をつかまえたら、皮を引きちぎったり、骨をかんだりしながら、時間をかけて丸ごと食べる。
しかも野生のライオンは、毎日えさにありつけるわけではない。狩りは失敗することもあるので、たくさん食べたあとにしばらく我慢する、という生活をしている。オーストラリアの研究者たちは、動物園のライオンにも同じような食べ方をさせたらどうなるかを調べた。切っていない丸ごとの肉をあげて、たくさん食べたあと少し間隔を空けるというやり方にしたのだ。
すると、ライオンの様子が、野生のライオンに近づいた。具体的にどんな行動が増えたのかまでは詳しく分かっていないが、食べ物の形やあげるタイミングが、食べ物の中身と同じくらい大事かもしれない、ということが見えてきた。動物園では、動物の心と体を元気に保つ工夫(エンリッチメントと呼ばれる)が近年重視されており、今回のような給餌の工夫はその一つの例と言える。
どうぶつえんのライオン、まるごとお肉をもりもり
📰 しっかり版: 動物園のライオン、丸ごとの肉塊を与えると「野生らしい」行動が増加
ライオンさんに、まるごとお肉をあげてみたよ。
動物園のライオンさんは、いつもきりわけたお肉を食べていました。でも、野生のライオンさんは、つかまえた動物をまるごと食べます。皮をひっぱったり、ほねをかんだりします。研究者さんたちは、動物園のライオンさんにも、まるごとのお肉をあげてみました。毎日ではなく、たまにたくさんあげました。すると、ライオンさんの様子が、野生のライオンさんに近づきました。